高尿酸血症は生活習慣病の一つです。本邦でも痛風にて通院している患者は約60万人に上るとされ、さらには、健康診断などにて成人男性全体の約10%が高尿酸血症と指摘されており、まさにcommon diseaseです。高尿酸血症は、痛風関節炎、腎障害、尿路結石、そして心血管疾患や脳血管疾患の原因となり、その予防が極めて重要な疾患です。
血清尿酸値が7 mg/dL以上の場合、高尿酸血症と診断されます。高尿酸血症には、生体内での尿酸の合成が亢進している「尿酸産生過剰型」と尿中への尿酸の排出が低下している「尿酸排出低下型」、及び両者の病態が混在した「混合型」に分類されます。
管理方針としては、まず目標尿酸値は6 mg/dL以下です。薬物療法が適応となる領域がある一方で、痛風発作や痛風結節がなく、尿酸値:8.0 mg/dL 未満の領域(無症候性高尿酸血症)や、腎障害やその他の生活習慣病の合併がなく、尿酸値:9.0 mg/dL 未満の領域においては、生活指導が第一選択となる点が重要な点です。つまり、これらの領域は機能性食品による予防やケアが重要な領域であると言えます。
監修:大阪大学名誉教授 川野淳先生
文責:総医研クリニック 西谷真人