評価試験事業・バイオマーカー開発事業

Clinical test, Biomarker development

抗疲労評価臨床試験

疲労の定義と疲労

「疲労」とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた心身の活動能力・能率の減退状態である。
「疲労」は独特の不快感、休養の願望、活動意欲の低下を伴うことが多く、これを「疲労感」と呼ぶ。

(日本疲労学会2010年制定)

 

試験デザイン

スクリーニング項目

VAS(疲労感)、Face Scale(疲労感)Chalder疲労質問票
作業能率評価
自律神経機能評価(LF/HF,Total Power)
酸化ストレス評価(d-ROMs,BAP)
就業・睡眠に関する調査等

生活記録日誌

(試験食摂取記録、食事内容、飲酒量、喫煙本数、医薬品の使用状況等)
リストバンド型活動量計による管理

 

 

●疲労負荷条件における評価

体力に合わせた負荷量の設定

本試験開始前にVT測定を実施。VTの80%の心拍数となる負荷での4時間自転車エルゴメーター漕ぎを身体作業負荷とします(3~4Mets程度の軽運動)。

※VT(Ventilation Threshold):呼気中の二酸化炭素排出量、換気量から有酸素運動から無酸素運動に切り替わる転換点を決定した値。

 

 

疲労の評価=作業能率(パフォーマンス)評価

疲労感の評価=疲労質問票による評価

作用機序の確認項目

■酸化ストレスマーカー

8-イソプラスタン:活性酸素が直接リン脂質を過酸化することで生成するアラキドン酸の酸化代謝物

8-ヒドロキシデオキシグアノシン (8-OHdG) :DNAの構成物質であるデオキシグアノシン(dG)が活性酸素により酸化され、分子内に生成する物質

臨床試験において肉体的活動によって活動能力・能率の減退状態と疲労感が生じ、それに伴って尿中8-イソプラスタン濃度および尿中8-OHdG 濃度が上昇することが確認されています。

 

 

■自律神経機能評価(加速度脈波による評価)

LF:加速度脈波の周波数解析のパワー値を周波数帯0.04~0.15Hzで積分したものをLF(Low Frequency)と呼び主に交感神経成分が含まれます。

HF:周波数帯0.15~0.4Hzで積分したものをHF(High Frequency)と呼び、副交感神経成分が含まれます。

Total Power:自律神経機能全体の働きを示す指標。加齢に伴い数値は低下します。