臨床試験事業

CLINICAL TEST

循環器領域血圧

血圧

血圧は、収縮期血圧と拡張期血圧により、至適血圧、正常血圧、正常高値血圧、I 度高血圧、II 度高血圧、III 度高血圧、(孤立性)収縮期高血圧に分類されます。そして、血圧値のほかに、高血圧以外の危険因子、高血圧に基づく臓器障害、さらには心血管病合併の有無により、低リスク群、中等リスク群、高リスク群の3群に層別化されます。
血圧以外の危険因子として、喫煙、糖尿病、脂質異常症、肥満(特に腹部肥満)、慢性腎臓病(CKD)、高齢(65歳以上)などが挙げられます。高血圧性臓器障害としては、脳卒中や一過性脳虚血発作などの脳の障害、左室肥大や狭心症・心筋梗塞などの心臓の障害、蛋白尿やCKDなどの腎臓の障害、動脈硬化の亢進などの血管の障害、高血圧性網膜症などの眼底の障害が含まれます。

 

高血圧の分類

分類 収縮期血圧(mmHg) 拡張期血圧(mmHg)
至適血圧 <120 <80
正常血圧 <130 <85
正常高值血圧 130-139 85-89
Ⅰ度高血圧 140-159 90-99
Ⅱ度高血圧 160-179 100-109
Ⅲ度高血圧 ≧180 ≧110
(孤立性)收縮期高血圧 ≧140 <90

血圧(診察室)に基づいたリスク層別化

  正常高值血圧 Ⅰ度高血圧 Ⅱ度高血圧 Ⅲ度高血圧
リスク第一層

(危険因子なし)

付加リスクなし 低リスク 中等リスク 高リスク
リスク第二層

(糖尿病以外の危険因子:1-2個、メタボリックシンドロームがある)

中等リスク 中等リスク 高リスク 高リスク
リスク第三層

(糖尿病、CKD、臓器障害、心血管病、3個以上の危険因子)

高リスク 高リスク 高リスク 高リスク

高血圧の管理方針

高血圧の管理方針 高血圧の管理方針

降圧目標

若年者・中年者 130/85mmHg未満
高齢者 140/90mmHg未満
糖尿病患者、CKD患者、心筋梗塞後患者 130/80mmHg未満
腦血管障害患者 140/90mmHg未満

降圧評価 試験デザイン一例

降圧効果 評価試験例

降圧効果 評価試験例 降圧効果 評価試験例
  評価項目
主要評価項目 収縮期血圧および拡張期血圧
副次評価項目 家庭血圧、24時間血圧(ABPM)
その他の項目 血管内皮機能(プレチスモグラフィ、FMD)、体重、脂質関連、血糖関連、アディポサイトカイン、酸化ストレスマーカー、炎症マーカー、肝機能、腎機能、末梢血一般(血算)など

監修:大阪大学名誉教授 川野淳先生
文責:総医研クリニック 西谷真人